月の光が静かにそそぐ27

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 途端、いきなり伸びてきた腕に掴まれて、良太はベッドにひっくり返る。
「何だよ、疲れてるかとそっとしておこうと思ったのに」
「お前が起きたんで目が覚めたんだ」
 いいながら良太のバスローブをはだける工藤の手を、良太は掴む。
「疲れてんじゃないのかよ……」
「それとこれとは話が別だろ?」
 間近で息を吹きかけられると、「酒臭い……」とは言ってみるものの、既に上ずっている。
「やりたくないわけ、ないだろうが」
 耳元で囁かれて、良太の体温は一気に上がる。
 口より正直な良太の身体は、勝手に工藤を求めて月あかりの下で紅く染まっていく。
 
 
「有吉って……」
 工藤に散々翻弄された身体は力が入らずに、口を動かすのも億劫だったが、ふいに思い当たった良太が呟いた。
「ひょっとして、髭面のでかい、ブーツはいてたヤツ?」
「何だ、お前知ってるのか?」
 思ったとおりの工藤の答えに、良太は漠然と前途多難な道を思い描いてまた目を閉じた。
「眠い……」
 とにかく今は眠りたい。
 この男の温かい腕の中で。
 良太は身体をまるめて、工藤に擦り寄った。
 
                        おわり
 


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