夢ばかりなる20

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 良太の焦りをよそに、青山プロダクションは例年にない忙しさで、師走を走っていた。
 滅多に会議なんてものはやらないが、オフィスで打ち合わせ程度のミーティングはちょくちょく行われている。
 その頻度が年末にきて高い。
 小笠原と志村はドラマの収録に入っていたが、それぞれのマネージャー真中と小杉、アスカや奈々も秋山や谷川とともに珍しくその日は朝から社員が顔を揃えていた。
「明日の『藤永製菓』、十時からだったな、谷川」
「はい、そのCF撮りのあと、四時からFTVの録画取り、九時からT‐FMです。明後日はNTVの特番が朝から入ってます」
「志村は明後日十一時から舞台の顔合わせで、映画の方も年内に顔合わせがあるんですよね、工藤さん。明後日は一日MBCのドラマの収録です」
 小杉はタブレットを確認しながら報告する。
「顔合わせの日程は近日中に決める。小笠原は?」
「えっと、明日は午前中ポスターの撮影、午後は三時から『集洋社』の『スパイシー』インタビュー、五時からMBCのドラマで六本木スタジオ。明後日は『MEC電器』のCF撮影が午前十時からで、そのあと特番のロケで沖縄です」
 真中が懸命に自分のメモノートを読み上げるのを良太がパソコンに打ち込む。
 入社以来、工藤だけでなく、それぞれタレントのスケジュールを良太がチェックし、管理している。
 社員は会社のサーバにアクセスしてタレントのスケジュールをタブレットや携帯で確認することができるようになっている。
「明日は講英社『ビジョン』のグラビア撮影のあと、ドラマの記者発表がホテル『オーニシ』で午後二時からです。明後日から三日間、NTV特番ロケでローマ、戻って翌日は、午後から『フローラル化粧品』のCF撮りが入ってます」
「わかった。お前はどうなってる」
 秋山がアスカのスケジュールを報告すると、良太の後ろから工藤がパソコンを覗き込む。
「明日は『山村損保』が十一時からか、十時に六本木なら間に合うだろう。先に谷川と一緒に『藤永』に行ってくれ。適当に切り上げて山村へ行けばいい。『パワスポ』が四時か。二時からの東洋商事、お前も同行しろ。丸ビル一階のロビーに一時半。飯は食っとけよ」

 


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