お前の夢で眠ろうか 48

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「ハ……ハアアア?」
「まだわからねーのか? 小林千雪大先生じゃねーか。あくまでも社外秘だ。心しとけよ」
「ええええええええ?!」
 一瞬遅れて、良太は声をあげた。
 確かその人物はダサいメガネに常にぱっとしない服装でキャンパスを歩いているしみったれたオヤジだったはずでは? 
 千雪なんて可愛らしい名前を散々笑われていたのに。
「ウッソォ…! ほんとに? ほんとに小林先生なんですか?」
 それを聞きつけた奈々がそそくさと割り込んできた。
「南沢奈々、顔合わせの時会ってるよな」
 工藤に改めて紹介されて舞い上がっている奈々と小林を、良太は茫然と見つめた。
 名は体を表す、ってそのものじゃないか。
「でも、大学にいる時とは別人…」
 良太は本人にそう言われても今一つまだピンとこないでいた。
「あんまり美人だから、しょっちゅう襲われそうになるのよ。だからコスプレでごまかしてるの、小林先生は」
 ぼそりと呟いた良太の疑問にアスカがきっぱり説明してくれた。
 さもありなん、冗談でなくこんな美人なら、男でも危ないかも。
「何が社外秘だ、その大先生をいいようにしてんのは、あんたなんだろう?」
 明らかに険を含んだ目付きを工藤に向けたのは、大澤流だ。
「残念ながらここんとこ先生はつれねぇからな。俺の方はいつでもOKなんだぞ?」
 あっさり口にする工藤の台詞が良太の胸にずきりと刺さる。
 え……?
「工藤さんの相手には役不足違う?」
 小林は悪びれもせずに笑っている。
「だめよ、センセはあたしのものなの! 工藤さんのお相手なんて両手にも余るくせに」
 小林の腕を引いてアスカが主張した。

 


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