お前の夢で眠ろうか 76

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 ◇◇◇
 
 
 ぱちりと目を開けると、そこに見えたものは白い天井だった。
 こんなことが過去二度程あったような気がする。
 呑気な良太の思考を打ち破ったのは、聞き慣れた怒号だった。
「この、クソバカヤロー! 二度と世話をかけるなと言ったはずだ。お前の頭は数も数えられねーのか? あ? 三度目だ、三度目! しかも勝手なマネしやがって」
 言いたい放題の工藤の横にはアスカの泣き腫らした目。
 奈々も谷川も鈴木さんも、秋山も俊一も、小杉やそれに平造の顔まである。
「げ……みんな、どうしたん? 勢揃いして」
「言うにことかいて、どうしただぁ? このバカが」
 ぼそりと良太が口にすると、すかさず工藤の怒号が病室に響く。
「もうバカ、こっちが死にそうだったわよ! 良太のバカ!」
 アスカまでがバカよばわりだ。
「……そんな、みんなして、バカバカ言わなくても………」
 良太を刺した村田は、ようやく目が覚めたように自分の仕出かした罪に戦き、警察に自首したのだと、秋山が話してくれた。
 良太が工藤のために村田を止めようとして揉み合いになり、村田は良太を刺してしまったのだと、しきりと良太に詫びていたことも。
 やがてぞろぞろとみんなが病室を辞する。
 最後に出ていこうとした秋山が振り返った。

 


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