夢のつづき11

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    ACT  2
 
 
 ANAの最終便で札幌には何とか着いたものの、すぐに吹雪になった。
「まったく、三月だぞ! 気象庁は何してるんだ!」
 ついこの間もイラつきながらこの空港を歩いた記憶までが蘇えり、この際、どうしようもないことだとわかってはいてもどこかに怒りをぶつけたくもなるというものだ。
 MBCテレビと大手広告代理店が絡んだドラマだが、昔の工藤ならとっくに降ろしているだろう下手糞な若手タレントを主役に置いたろくでもないものだ、と工藤は心の中では思っていた。
 本来なら引き受けないであろう仕事を工藤は古い知り合いのディレクターのつてであえて受けたのだ。
 引き受けた以上、ヒットさせる。
 それが工藤の局時代からのやり方だ。
 この際、文句は言っていられない。
 猪野の二の舞を出すのはごめんなのだ。
 工藤に仕事の依頼を受けた事務所の中には、電話口で涙ながらに頭を下げているだろうようすが伝わってくるところもあった。
 自分はそんな頭を下げてもらうような聖人君子でも何でもないが、できることはやりたい。
 それだけだ。
 ホテルの部屋に入ったときは既に夜中の三時を過ぎていた。
 予約を忘れていたので、適当なビジネスに部屋を取った。
 狭い部屋に辿り着くと、工藤はそのままベッドにひっくり返る。
 フライトの途中から、少しからだが熱っぽい気がしていた。
 良太が聞いたらそれみたことかと言いそうだ。

 


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