夢のつづき22

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「岸賢次郎。昔アクトプロモーションに所属していた俳優だよ。障害沙汰で事務所を首になった後、しばらく音沙汰なかったが、近年小さい演劇集団に加わっていたらしい」
 そばから詳細な答えを返したのは、アスカのマネージャーを務める秋山である。
「さすが、業界の歩くコンピューターね、秋山さん。そうそう、戦隊物かなんかで確かイケメン俳優とかって騒がれてたこともあったっけ。その頃、ちょこっと芽久つきあってたみたいだけど、芽久は工藤さんに夢中になっちゃって、その彼はお払い箱。障害沙汰って、確か芽久に振られて酔ってどっかの店で暴れたってやつでしょ。馬鹿なヤツよねぇ、せっかく波に乗りかけてたってのに」
 良太の中で、賢次郎という男がなぜ二人につきまとっているのかという、疑問が簡単に解消した。
「その岸賢次郎がどうかした?」
 こっちもさすがに鋭い秋山だ。
 良太がなぜそんな男の話を持ち出したのか気になったのだろう。
「いや、芽久さんの噂でちょっと小耳に挟んだので」
 何かあるんだろう、という目で秋山は良太を睨んだが、良太はあえてそらした。
 おそらく工藤は内々に自分で方をつけるつもりに違いない。
 多分、芽久のことも考えて。
「でもまたやばいことになったらどうすんだよ」
 良太は小田に相談する決心をした。
 工藤に知れたら勝手なことをするなと怒るだろうけど。

 


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