夢のつづき27

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 案の定、ドラマのことだけでなく、工藤との関係はどうのという質問も芽久にぶつけられたが、芽久はそれらをにっこり笑って無視し、とりあえず記者団を煽ったり反感を買うような受け答えをすることもなく、つつがなく記者会見は終わった。
 有吉たちとの打ち合わせが終わったらしく、袖に立つ良太の後ろにいつの間にか工藤が来ていた。
 会場を出るや、芽久は工藤を見つけてしがみつくように傍を離れない。
 そんな芽久と工藤を見て、良太としては面白くないのは山々だが、芽久の怯えようはただならぬものがあり、岸の脅しに参っているのだろうと見てみぬ振りをすることにした。
 芽久が落ち着くまでと、工藤、良太とマネージャーの今井の四人は控え室にいた。
 誰もほとんど言葉を口にせず、非常に気詰まりな時間が過ぎる。
 工藤は疲労に加え、苦りきった表情をしている。
 やがて他の出演者がホテルを出た頃、車の手配をしてくるというマネージャーが先に控え室を出ると、いっそうまた気詰まりな空気がどんよりと漂う。
 芽久の携帯が鳴るまでおよそ十分ほどが、良太にはひどく長く感じられた。
「……はい。……わかった」
 自分の携帯のコールにもびくびくしている芽久のようすに、良太もちょっとかわいそうになった。
「裏口に車まわしたって、今井から……」
 芽久の言葉に良太は立ち上がり、先にドアをあけて廊下のようすを伺う。
「どうぞ」
「良太、先に帰っていいぞ。俺は彼女を送っていく」
 工藤は芽久を抱えたまま廊下に出ると、そういった。
「わかりました」
 とは返事をしつつも、良太は先に立ってエレベーターのボタンを押し、二人が乗り込むと自分もその前に立った。

 


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