夢のつづき29

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 言葉どおり次に何か言ってこようものなら、小田でも呼んで警察に突き出してやるつもりでいた。
 だが、よほど切羽詰っていたとみえる。
 やがてエレベーターのドアが開いた。
 良太は工藤と芽久の前に立って、あたりを窺いながら先に降り、二人が降りるのを待った。
 工藤はあらかじめホテルと打ち合わせて、今回は通常の表玄関口やVIP専用の出入り口でもなく、従業員用の出入り口を使わせてもらうことになっていた。
 一旦地下に降り、長い通路を抜けると先に事務所のドアがあり、その向こうに地上へ出る階段があった。
「お疲れ様です。こちらです」
 階段の中ほどで今井が呼んだ。
 地上に出ると、日が落ち始めた小さな庭の木陰から白のレクサスの後ろが見えた。
「良太、もう帰っていいぞ」
 工藤はもう一度言った。
「ええ、帰りますよ」
 そう言いながら、良太はあたりに目を配り、二人の後ろから車まで着いて行った。
「どうぞ」
 今井が後部座席のドアを開けたので、良太は下がって二人が乗り込むのを待った。
 その直後、ガサガサっと音がした。
 かと思うと、影が飛び出してきた。
「きゃああああっ!」
 芽久の悲鳴とともに、影が工藤に弾き飛ばされた。
 


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