夢のつづき31

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「このやろう、駐車場でうろついてて、そこのガキが車に乗り込むのを見てあとつけやがったから、こんなことだろうと思ったぜ」
 そこのガキといわれた今井は、未だに足が竦んで動けないでいた。
「ったく、へっぴり腰のくせに、威勢だけはいっちょまえかよ」
 今度ははっきりと睨むような視線を向ける有吉に、良太はかーっと頭に血が上る。
「あんたに言われる筋合いはない!」
 必死だったのだ。
 工藤を守ることしか考えなかった。
 頭で考えるよりからだが動いていた。
「戦場なら完全に犬死だ」
 フン、と鼻で笑われて良太は唇をかみ締める。
 言い返そうにも、ごもっともと頷ける言葉なのは確かだ。
 結局、岸は連行されたが、そこに居合わせた面子はホテルに一旦戻り、ひととおり事情聴取が終わって警察が帰っていくまでに一時間を要した。
「悪かったな、有吉」
 工藤が言った。
「いや。俺がどうにかしなくてもあんたがどうにかしてただろ、あんなへっぽこ野郎」
「じゃ、俺、先に……」
 二人が話しているところへ、とっとと退散しようと思った良太はそう声をかけた。
「ちょっとそこで待ってろ」
 返ってきたのは有無を言わせぬという感じの工藤の命令だった。

 


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