夢のつづき34

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 オフィスのドアを開けると、よう、と下柳が手を上げた。
「えらい目にあったって? 有吉のヤツに聞いたよ」
「ヤギさん。お疲れ様です」
「どうしたんだ? まだ何かあったか?」
 無愛想に言って、工藤はコートをソファに放り、奥のデスクに向かう。
「別件だ。アフリカ行く前にお前の耳に入れとこうと思ってな」
 それから二人はぼそぼそと話し始めた。
 てっきり工藤の雷が落ちるのを覚悟していた良太だが、下柳のお陰でとりあえず免れそうではある。
 逆に何となく疎外感を覚えながら、戻ってからやるはずだった仕事を片付け始めた。
「じゃあ、お先に失礼するわね」
 コートを羽織ながら鈴木さんが言った。
「お疲れ様です」
「良太ちゃんもあんまり無理しないのよ」
「はい。大丈夫です」
 心配してくれる鈴木さんの言葉に、良太はほっとする。
「あら、とうとう降り出したわね、雨」
「ですね」
 予報では明け方にかけて雨が強くなるようなことを言っていた。
「出かけてくる」
 しばらく二人で難しい顔を寄せて話していたかと思うと、工藤はまたコートを手にたったかドアに向かう。
「お邪魔。良太ちゃんもアフリカ、行けたらよかったのになー」
 明日のフライトだというのに、下柳は暢気そうなことを言いながら工藤と一緒に出かけていく。

 


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