夢のつづき36

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    ACT 4
 
 
 部屋のドアを開けた途端、二匹の猫たちがわらわらと飛んでくる。
「遅くなったねー、ごめんよー」
 足にまとわりつく猫たちに触れると、こわばっていた身体の力が抜ける。
 二匹とも待ってましたとばかりにご飯を平らげてしまう。
 その食べっぷりはいつみても可愛いものだ。
「そういや、俺もなんか腹減った」
 いろいろと思いが交錯して腹に詰まったような気分だったために、空腹なのを忘れていたらしい。
 スーツを脱ぎ棄てて、傍にあったジーンズとセーターに着替えると、小銭を持って近くのコンビニに向かう。
 雨のせいでじっとりと湿気に包まれる。
 弁当を食べる気になれず、おにぎりを二つとビールを買って帰りしな、工藤と下柳がぼそぼそ話していたのを思い出し、何やら気になった。
「アイダが、とかって聞こえたけど」
 深刻そうな顔をしていた。
「アイダって相田企画のことじゃないよな」
 相田企画はやはり二人とは長いつきあいのイベント会社である。相田夫妻と五、六人のスタッフがいたはずだ。
「まさかまた猪野プロみたいなこと、ないよな」
 口にして、嫌な気分が渦巻いた。


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