夢のつづき37

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 アイダは相田に違いないような気がした。
「仕事上のトラブルくらいならいいけど」
 もうあんなのはごめんだ。
 猪野の子供たちの泣きはらした目を思い出すとやりきれない。
 風呂からあがってタオルで頭をゴシゴシ擦っている時、玄関のチャイムがたてつづけに何度か鳴った。
 真夜中に良太の玄関のチャイムを鳴らすような人間は、一人くらいしか心当たりがない。
「何時だと思ってんだよ、ジャンジャカ鳴らさなくても、鍵開けて入れば……うわ……」
 慌ててドアを開けると大きな影が良太に覆いかぶさり、二人して絨毯の上に倒れこんだ。
 びゅうと冷たい風が一緒に入ってきて、ドアが閉まる。
「バカヤロ! 確認もしないでドアを開けるんじゃない…」
 工藤の怒鳴り声に驚いて、猫たちはさっと隠れてしまった。
「うう、酒臭っさ……えらく飲んでんな……」
 こんなに酒に呑まれた工藤をあまりみたことがない。
 コートが濡れていて、スウェットに染みて冷たくなってきた。
「おい、ちょ…工藤って、コート、脱げって、冷たい……」
 だが男は良太を押しつぶすようにのしかかり、動く気配がない。
「工藤って…」
 良太はあきらめた。

 


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