夢のつづき4

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  猪野のことがあってからである、もともと仕事中毒のような工藤が、以前にもましてしゃかりきになって動き始めたのは。
「まだ猪野の二の舞になるんじゃねぇかってとこが二,三あるんだよな」
 たまたま下柳がそうこぼしていた。
 確かに小さなプロジェクトひとつでもなくなれば、下請けの製作会社にとっては死活問題だ。
 だからといって、何で工藤が朝から晩まで、日本中駆けずりまわらなくちゃならないんだっ!
 ぐびとコーヒーを飲み、思わずカップを置く良太の手に力が入る。
 かつては鬼の工藤と異名をとったほどの冷酷無比な男と知られていたが、下柳に言わせれば『そいつはタレントとか芸能関係者連中の間でのことなのさ』だという。
 とんだナニワブシ親父だぜ!
 今日は京都、大阪あたりを闊歩しているらしい男を良太は心の中で罵った。
 工藤一人に苦労させていられるわけがないのだ。
 良太は自分の仕事を終えた後で、工藤の持ち込んだ仕事のフォロウをしていた。
 今まで手一杯で断っていたような小さなイベントから今まで手を出したことがなかったインターネット関連の番組や、最近では時折良太をからかいにくる藤堂が席を置く広告代理店『プラグイン』とタッグを組んで、CMの企画まで手を広げている。
 もちろん、会社の取引業者に一つでも多く仕事を回すためだ。
 


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