夢のつづき42

back  next  top  Novels


 良太は慌ててシャワーを浴びると、髪の手入れも手櫛でそこそこに部屋を飛び出した。
「ったく、何が、仕事はいい加減に切り上げろだよ。人づかい荒いのは誰だってんだ」
 朝っぱらから好き放題やりやがって、自分はさっさと紳士面決めやがって。
 タフ過ぎる!
 あーあ、心配して損した。
 
 
 
 
 ひたすら車を走らせて空港に辿り着くと、慌てふためいてバッグを届けに走りこんだ良太を見つけて、呑気そうに、おーい、ここだー、と手を振るやっぱりタフなオヤジが一人。
「すまないな、良太ちゃん。助かったよ」
 夕べは工藤とかなり呑んだはずだろ。
 全く、どうしてこうみんな泰然自若としていられるのか。
 横を見ると、どデカいバックパックを前に立つ有吉がまた一段とワイルドだ。
 良太を見てひとこと。
「フン、まあ、能天気ってやつだけは、撤回してやるよ」
「はあ?!」
 またしても頭が沸騰しかかった良太に「ちょっとこい」と有吉が指で招く。
「なんすか?」
 思い切りしかめつらで傍によると、有吉はいきなり良太のシャツの襟を直し、無造作に結んできたタイを抜き取ってぎゅっと締め、きれいに結びなおした。
「よし。行っていいぞ」
「はあ、ども……」
 慌てていたとはいえ、良太は身だしなみをおろそかにした自分に反省しきりだ。
「ああ、工藤に言っておけ。部下の襟もとはきちんとさせろってな」
「これは、俺が慌てて今朝、悪いのは自分ですから!」
 せっかく親切に直してくれたと思ったのも束の間、工藤の文句を言われて良太はまたカッとくる。
 有吉はにやにや笑いながら、「土産期待してろよ!」と怒鳴る下柳に続いてチェックに向かった。

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ