夢のつづき6

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「さすが、良太ちゃん、鋭いね。確かにうちの芸術家は制作中に話しかけたりすると機嫌悪くなるんだよ。だがそれが理由なら、オフィスで仕事をすればいいことだと思わないか?」
「そうですね」
 良太は、でもここは自分のオフィスではないでしょ、という目を藤堂に向ける。
「ところが、何とオフィスにはコースケちゃんも三浦も出払ってしまっていないんだよ、今日も明日も」
 たまに素早いタイピングで打ち込んだりしながら、藤堂は言った。
「なるほど、会社にもからかう相手がいないものだから、ここにきていると」
「正解」
 藤堂はにっこり。
「いやあ、何分、一人で仕事するのが嫌いなたちで。よし、送った」
 データをクラウドに落とし、藤堂は指でテーブルを叩く。
「うちの横暴河崎は俺がどこにいようと、データを解析してすぐ送れ、とっとと送れとこうだからな、困っちゃうよ」
「でも、よそのオフィスでお茶を飲みながらデータ解析して送ってしまう藤堂さんも、ただものじゃないですよね」
「いやいや、俺はただのただものだよ」
 ワハハと笑う。
「この紅茶、美味しいですね、鈴木さん、いい香りだ」
「あら、そうですか? 知り合いの店でブレンドしてくれるんですよ。とっても美味しいって評判なの」
 確かに藤堂は若い女性から年配の奥様連中にも受けがいいわけだ。

 


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