夢のつづき7

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 あれでニコニコくどかれたら、するりと隣を許してしまいそうだ。
 未だに藤堂という男は良太にとって謎の部分が多い。
 しかし切れ者だということは確かだ。
 それをひけらかさないのは、きっと育ちがいいからだろう。
 大体、『プラグイン』にしたって、ちょっとくらい仕事がなくたって、どうにかなるような会社じゃないのだ。
 河崎や藤堂など、別に働かなくても十分暮らしていける身分である。
 なのに、みんな仕事人間だから、仕事に対する姿勢は半端じゃないけれど。
 しかし猪野のことを思い出すと、ため息が出る。
「なんだかなー」
「どうした? 深刻そうな顔してらしくないな」
「どうせ俺は能天気な面ですからね」
「うん、猪野さんのことか?」
「あたり、どうして?」
 やはり藤堂は不思議な男だ。
「良太ちゃんは優しいからな。すぐわかるんだよ。ちょうどあの時、俺と浩輔ちゃんだけしかお葬式にも顔を出せなかったんだが、やりきれんねー」
「そうなんですよ。俺のうちも昔似たような状況だったんで、人事じゃないっていうか。うちの両親は能天気なんで、何やっても生きていけますけどね」
 うんうん、と藤堂は頷く。
「で、良太ちゃんとしては、製作会社やスタッフのみんなが猪野の二の舞にならないようにって、工藤さんが東奔西走して、オーバーワーク気味で忙しすぎるのが面白くないと」
「ええ、そ……」

 


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