残月107

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 疲れているのはわかっていたが、いつの間にか眠ってしまい、湯に顔をつけたところで、うわっと目を覚ました良太は、風呂から上がるとベッドにゴロンと横になり、録画していたドラマをチェックしないと思い出して再生ボタンをおした。
 ところまでは覚えているが、うつらうつらしてそのまま眠ってしまった。
「良太」
 聞いたことのある声が耳元で名前を呼んでいる。
「ったくしょうがないな」
 声の主は良太の握っていたリモコンを取り上げ、テレビを消した。
 しばらくすると、何かが胸の突起のあたりを這いまわっている。
 唇がふさがれ、次第にいやらしさを増していくにつれ、息が苦しくなった良太はようやく目を開けた。
「え……工藤……」
 言葉を発する前にまたキスが襲う。
「……ん……あっ……!」
 帰ってきてたんだとか、撮影はどうだったんだとか、そんなこともどこかへ吹き飛んで、工藤のエロい手管に翻弄されているうちに、いつの間にか工藤の手に握られた良太はあっけなくはじけた。
 心も身体も工藤をひどく欲しがっていて、後ろにごつい指が届いてぬるりとした冷たさを感じたものの、良太は頭の先からつま先までやけにエロくて蕩けそうな状態で、自分でコントロールもできない。
 膝を折られ、工藤が押し入ってきても、動くたびに甘い刺激が脳髄まで駆け上がる。
 モノも言わず、いつになく荒ぶって突き上げる工藤に、良太は言葉にならない喘ぎ声を上げ続けた。
 過ぎた快感が幾度も良太を襲い、やがて意識が飛んだ。
 明け方、何となく目が覚めた良太は、工藤の胸に思い切りしがみついている状況に気づいた。
 もうちょっと、このままでいたいな。
 少し顔を上向けたものの、慣れ切った工藤の匂いに包まれていたい、と良太はまた目を閉じた。

 


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