「ほら、佐々木ちゃんてさ、美形だけどおっとりしてるからみんなと和気あいあいな雰囲気じゃない? それがさ、いつもなら冗談の一つもあって和やか~に進むのに、もうピキピキ仕事しちゃってますって感じで、今日はもう文字通り超クール? だと、もう美貌が際立っちゃって話しかけるのも怖いくらい」
これはもう二人の間に何かあったに違いないだろう。
最近は、佐々木のことで沢村のためにとあれこれ加担してきた周囲の人間としては、何があったんだと気にかかるところだが。
これ以上周りがやんややんやとお節介を焼いていいものかと、良太は思うのだ。
要は二人の問題なのだ。
それに、思い違いでなければ、沢村は今日良太の方を意識して見ようとしない。
これまで散々泣きついて振り回してきたくせに何だよ、という思いも無きにしも非ずだが、それだけ深刻ということか。
ならば敢えて何も聞かないことにする、と良太は心の中で呟いた。
back next top Novels