好きだから 139

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 ただ、大学は服飾デザインだったのだが、デザインは好きでも作る方は不得手だったらしく、ジャストエージェンシーに入ったのもデザイン系で探した会社だったからだ。
 彼女が入社した時、可愛いビスクドールのような子だと思った記憶がある。
 話してみると、春日いわく、世界が同じで、確かに彼女とはまるでずっと一緒にいたかのようにしっくり合った。
 だが、タイミング的なものもあるが、同じ空間にずっと一緒にいても、しっくり合いすぎて家族のような感じが互いにベストだという気がしている。
「ほんまに、直ちゃんいないと、俺、あかんわ」
 佐々木はぼそりと口にして、箸を置いた。
天丼にしたのだが、どうもここ数日食欲が落ちている。
 疲労困憊なのは身体だけではないのだろう、かろうじて食べ終えると、マグカップを片付けてから、キリのいいところでパソコンの電源を落とし、岡持ちを外に出して、佐々木はオフィスを施錠した。
 

 


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