好きだから 14

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「そんなのお前、ガキの心理としちゃごく普通だろうが。要は才能と実力ってことだろ? バカみたいに直球しか投げないから俺にホームラン打たれるんだろうが」
「うっさい! 三振だって取ったさ!」
「まあまあ、仲がよかったのね、お二人は子供の頃から。お茶、お変わりいかが?」
笑いながら鈴木さんが声をかける。
「ありがとう! もう一個もらおっと」
アスカは綺麗な大皿に並ぶブラウニーをまた一切れ自分の皿に取った。
「それだけにしときなさい」
放っておくと何個でも手を出すアスカに、秋山がすかさず苦言を呈する。
「わかったわよ。賢兄愚弟とかって腹立つ! 沢村っちの父親。でもさ、相手が男だとか言わないで、彼女がいるとか適当に言っとけばよかったのに」
今更だが、それについては沢村も後悔したが、後の祭りだ。
「ああ、それは多分、俺が、京助さんのこと話したこともあるかも」
沢村の横に座った良太はブラウニーを一切れ取って頬張ってから頷いた。
「京助のことって?」
「ほら、新年会だかで、京助さんがぶちまけたってやつ」
「ええ? 京助なんかのマネしちゃだめよ! あいつ昔っからジャイアンなんだよ? 高校の時に付き合ってた子の親が東洋商事の子会社勤務で、それを知った当時の社長がその子の親をどっか海外に飛ばしちゃったのよ、釣り合わないとかって理由で。それでキレた京助が、その社長をぶん殴ったって、もう有名な話。一族郎党京助のことを怖がってるし。だから、新年会に来てたどっかのアホ社長が、京助がもういい年だし結婚はとか何とか言ったもんだから、京助キレちゃって」
アスカの言葉は京助が仇か何かのようにボロクソだ。
「でもそういえば綾小路さんとこの新年会って、前に行ったことあるけど、一族だけじゃないだろ? 招待客、取引先のトップとか」
良太が思い出したように言った。
「うん、うちはおじいちゃんが京助のお父さんと子供の時からの付き合いだけどね、家族ぐるみでよく遊びに行ってた。紫紀さんは優しいけど、京助とは顔合わせればケンカでさ」


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