好きだから 151

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 二人のことはそもそも外野が口を出すことではないから、放っておこうとは思ったものの、思いっきり首突っ込んでるしな。
 ここはひとつ、忘年会に誘って口を割らせてやるっきゃないか。
「ああ、疲れたぁ! 他の人のスケジュールがいっぱいで、昨夜っからちょっと休憩撮っただけで、今までよ」
 オフィスのドアが開いて、アスカと秋山が入ってきた。
「例のドラマの撮り直し、まだ何シーンかあるんですか?」
 良太は秋山に声をかけた。
「来週にならないと、みんなのスケジュールが合わなくて、まとめて一気にいくらしい。それで何とか終わり」
「でもさ、流の方が自然でやりやすいからよかった。水波って、テンション上がり過ぎッて感じだったし。ま、二度目だから台詞も出てくるしね」
 ソファに深く腰を下ろして、アスカはかなり疲れた様子だ。
「温かいミルクティ、どうぞ」
 鈴木さんがミルクティとワッフルをトレーに乗せて、キッチンから出てきた。
「すみません」
 秋山といえども疲れているようだ。
 往々にして演じている本人より、気を使って傍で見ている方が疲れるかもしれない、と良太は思う。
 今現在、志村と小杉、アスカと秋山、奈々と谷川、小笠原と真中、と四組のチームで仕事を進めている。
 秋山は工藤に任せると言われたように、オファーがあれば、アスカのスケジュールとの兼ね合いで自分の判断で仕事を入れているのだが、今回の水波との共演は、旧知の制作会社で是非アスカにと請われてのことだったとはいえ、もう少し調べる時間があればと悔やまれるところだった。
 工藤に水波のことを報告すると、不可抗力だ、無駄に悔んだりするな、とだけ言われた。

 


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