好きだから 165

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「その前に、ピアニストの広告プロジェクト、やりませんか?」
 すると、浩輔が二人の会話に割って入った。
「え、佐々木さん、これ以上仕事増やしたら、それこそ寝込んじゃいますよ。今だって、三つ以上抱えてて、ほんとは二つでもかなり佐々木さんにはしんどいんですから」
「わかってるよ、有能なマネージャーくん。今すぐ始動って仕事じゃなくて、年明けゆっくりってやつだから」
 藤堂はニコッと笑う。
「年明けだと、八木沼選手の仕事と青山プロ関連の仕事が入ってますよね。佐々木さん大丈夫ですか?」
 まさしくマネージャーの顔で、浩輔は佐々木に尋ねた。
 オフィスササキの直子とはしょっちゅう電話でやり取りしているので、佐々木のスケジュールもきっちり頭に入っている。
「せやなあ、内容や納期にもよるけど」
「だったら大丈夫。ピアニストの公演プロモーションで、四月くらいまでにというやつだし。実は最初うちに依頼された時、それこそてんてこ舞いで一度断ったんだけど、芝の社長、代理店と喧嘩しちゃったらしくて、またうちに泣きついてきましてね」
「はあ」
「カメラマンもポスターとかうまく撮ってくれたら、若手でも新参者でもいいんですが。今知り合いみんな忙しくて」
 佐々木はそれを聞いて、ふと例の佐々木の写真パネルを持ち込んだカメラマンのことを思い出した。
「一人、若手を知ってますが、聞いてみます?」
「そりゃぜひに」
「名刺、オフィスやから、ちょっと待ってください」
 佐々木は直子を呼び出して、カメラマン幸田信二の連絡先を聞いた。
「藤堂さんから連絡してみてください。俺から聞いた言うてもらえば」

 


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