好きだから 181

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「カックィーー、かおりちゃん! 沢村、肝に銘じます!」
 我に返った沢村は、へらっと笑いジョッキを掲げる。
「ああ、そうだね、かおりちゃんの言うとおりだわ。俺も反省。逃げ込むためにやるんじゃだめだよな」
 良太はふうっと息をつく。
「でもかおりちゃんさ、やっぱせっかくだからハワイで式あげても、横浜でも披露宴やればいいじゃん。着物もきっと似合うよ。カツラとかやらないにしてもさ。それで肇んちとかおりちゃんちとどっちも納得してもらえばいいんじゃね? 主役は二人なんだから二人で決めればいい」
「しょうがないわね」
「いいのか? かおり」
 肇の目にようやく安堵の表情が浮かぶ。
 するとかおりがフフッと笑った。
「え、何?」
「なんかさ、良太くん、鍛えられてるなって思って。昔はほんと何でも一直線って感じだったのに」
「え、いやあ」
「なーに、えらそうなこと言ってたって、根本はこいつは変わってやしないさ」
 照れる良太の言葉を遮って沢村が断言した。
「ふん、きさまこそだ! 自分で認めてるんだから世話ないよな、いっつも上から目線で」
「やっぱり今日集まってよかった! じゃ、改めて乾杯! 『桜野球少年会』に!」
 またああだこうだ始めた沢村と良太を無視してかおりが明るくジョッキを掲げた。

 


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