好きだから 192

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「あたしがうかつなこと話したのを佐々木ちゃん聞いちゃったんだ。だから……」
「良太ちゃんからそれ、聞いたけど、二人の間がぎくしゃくしてるとしてもアスカさんのせいじゃないよ」
「でも……」
「そのことだけで佐々木ちゃんが怒って別れちゃうとか、そんなことしないよ」
 直子は断言した。
「良太がさっき、沢村っちもそのことで怒ってもいないって言ったけど、昨夜会ったみたいで」
「同級生の肇さんとかおりさんとあったんでしょ? 良太ちゃん、沢村っちから何か聞いたって?」
「うん、それが…………」
 アスカは言葉を切った。
「どうかしたの? そういえば良太ちゃんと沢村っちがって何?」
「今朝、沢村っちが良太送ってきたのよ。良太の部屋、会社の上だから、沢村っちの部屋に泊ったんだと思う」
「夕べ飲み過ぎたんじゃない? か、沢村っちの相談に乗ってたとか」
「多分、そうだと思う………んだけど……」
 アスカは口ごもる。
「実はさ、うちのバカ社長が、昨日、アメリカから帰ってきた女と昼過ぎに出てったっきりで、その女、前にもきてたことあって。とにかく、うちのバカ社長には良太も色々振り回されているわけよ。沢村っちも、佐々木さんとぎくしゃくって時に、昔好きだった良太がそんな状態だったらって」
「待って、沢村っちが良太ちゃんのこと好きだったのってホントだったの?」
 直子は聞き返した。
「うん、前にちょっとね、工藤さんなんかいい歳だし、昔の女とか、色々いるわけよ。で、良太とのことも何か、はっきりしないっていうか、そんな感じだから、良太とそれこそヤバくなることなんかしょっちゅうで、ちょうど再会した沢村っちに告られて、一時は良太が会社辞める辞めないで大変だったんだよ」

 


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