好きだから 200

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「なるほど、こちらに無茶ブリしてできないとなったら、こいつら使えないとか上にご注進してそっちを使うわけやね。多少の出費はいとわへんと」
「でも、肝心の常盤さん、ほんとに日本に?」
 それまで黙って二人のやり取りを聞いていた浩輔が素朴な疑問を口にした。
「奥の手って?」
「それは浩輔ちゃんが一番よく知ってるだろ?」
 藤堂に言われてきょとんと首を傾げた。
「常盤さんにアポ入れて、急だし最悪こっちが向こうへ行って、常盤さんだけ撮影させてもらって、とか思っていたんだけど、久しぶりに日本に行こうかって言ってくれたんだ。もう明日向こうを発つことになった」
「それはよかったですね。でも急なアポで明日て」
「沖縄の河崎に手配させた。明日昼前にJFKを発って明後日午後一時頃成田に着く」
「あ、ひょっとしておじいさんのプライベートジェット?」
「プライベートジェット?」
 浩輔の言葉に佐々木が聞き返した。
「ああ、河崎にはアメリカに富豪の祖父がいましてね」
「それは、ほんま奥の手やね」
 藤堂はにっこり笑って続けた。
「そうそう、制作、撮影スタッフ、猫の手も借りたいとあちこち聞きまくって、青山プロが懇意の制作スタッフに話通してくれて。珍しく工藤さんが電話に出たので一瞬怯んじゃいましたけど」
 のんびりお茶を楽しんだ後は、三人とも即動くことになった。

 


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