好きだから 201

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 藤堂と佐々木は撮影スタッフと共に先に京都に向かい、常盤に扮したスタッフを使ってリハーサルを行い、翌日は北海道に飛び、チェックしたロケ地でリハーサル、常盤を待って本撮影に入るばかりに準備をし、浩輔は制作会社へ赴き、そこで佐々木からのデータを受けとって佐々木のラフに合わせたデータ制作にはいる。
 スケジュール通りに行っても限られた時間内に完成させるというのは至難の業だ。
「あああ、佐々木さん、ただでさえやつれてるのに、ほんとに大丈夫かな」
 藤堂と佐々木を見送って、浩輔は呟いた。
 直子は一旦オフィスに寄った佐々木に事情を聞くと、佐々木を心配してアシスタントとして同行すると頑として聞かず、オフィスの留守番のためにジャストエージェンシ―の春日を呼び出して言った。
「誰か、留守番お願いします」
 あまりにも毅然とした直子の言葉に春日は否と言えず、社内に募ったところ、経理の野村やデザイン部の芝田や稲葉までが手を挙げたが、今、経理や稲葉は忙殺されているため、デザイン部の芝田が二年目の部下である伊坂をつれ、仕事とマシンを携えてオフィスササキに出向くことになった。
「うへ、えらいことになったな」
 直子からLinesでメッセージを受け取った良太は、思わず声に出した。
 さっき出て行った工藤から、藤堂の案件に青山プロ馴染みの制作会社を紹介した旨を聞いたばかりだった。
「しかし、スケジュールタイト過ぎないか。この年末に。佐々木さん、大丈夫かな」
 直子もそう思ったから無理やり同行を決めたのだろう。
 特に佐々木の体調管理が気になるに違いない。
「そうすっと、週末の忘年会、佐々木さんら無理かな~」
 この週末、金曜日に予定されている青山プロダクションの忘年会には、佐々木と直子の二人とも出席の返事をもらっているのだが、この分だと来られない可能性も大だ。

 


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