好きだから 204

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 そっかあ、とアスカが頷いた。
「プラグインも今日は浩輔ちゃんと三浦さんだけ。あの、イベンター藤堂ちゃんも顔見せないなんてさ」
 直子を見つけた沢村は、一言二言言葉をかわしたが、良太から、面倒な仕事で手一杯らしいとは聞いていたので佐々木のことは口にはしなかった。
 沢村は超陽気な八木沼のお陰であちこちで騒がれ、珍しく笑っていた。
 十時を過ぎた頃、二人のスラッガーは翌日は朝から予定があると、良太が呼んだタクシーで帰っていった。
「あーあ」
 思い切り声に出した直子に、良太がシャンパンの入ったグラスを渡すと、直子は勢いよく一息で飲み干した。
「う……直ちゃん、大丈夫?」
「もう、こうなったら飲んでやる!」
「え、ちょ……」
 直子はバイトのウエイターから今度はワインを渡されている。
 そこへバタバタと二人の男が入ってきた。
「佐々木ちゃん!」
「藤堂さん!」
 直子や浩輔がすぐに気づいて二人に駆け寄った。
「遅くなりまして」
 迎えに出た良太に藤堂がニコッと笑った。
「終わったの? 仕事」
 心配顔で直子が佐々木に尋ねた。

 


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