好きだから 211

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「あっ、待てや、俺も!」
 八木沼は慌てて沢村のあとを追った。
「沢村………」
 この自主トレは、八木沼の方から一緒にやりたいと申し出たという。
 確かに沢村の方から誰かに声をかけるとかないとは思ったが、それでも沢村の性格なら嫌ならOKなどしないだろう。
 散々こきおろされながらも沢村について行こうとする八木沼の天然な性格は沢村にとっても吉と出るのではないかと思ったのだが。
 屋内練習場を出た途端、吹き付ける冷たい風に良太は首を竦めた。
「にしても、佐々木さん、多難?」
 あちこちで言い寄られるとか、美貌の主も困ったもんだな。
 あの千雪さん流のプロテクト、わからないでもないわ。
 また冬がやってきている。
 佐々木さんや沢村と一緒にスキー合宿って、楽しかったのにな。
 あんな時間がまた戻ればいいのと思いながら、良太は車のエンジンをかけた。

 


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