好きだから 222

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「え、私は………ごめんなさい。私にも何も言ってくれないの。佐々木ちゃん」
「うーん、そうか、まあ、一人で抱え込んでるんだったらよくねぇぞ。ココロの問題は身体に直結するからな。仕事、片付いたらまた飲み行こうって言っといてくれ」
「はい」
「直も、そう張りつめてるときついぞ」
「私は、ライブ行けば大丈夫!」
 ぐっと拳を握って見せる直子を、春日は、納会のことはまた連絡すると言い、にやっと笑って送り出した。
 地下鉄に乗ろうとしてうっかり半蔵門方面への階段を降りようとした直子は、午後から休みだったことを思い出して、渋谷方面へと向かう。
「ほんとは休みなんかいらないのにな」
 どちらかというと佐々木の傍にいて、何でも手伝っていたかった。
 井の頭線に乗り換えるために地上に出た渋谷はどこもかしこもクリスマスの装いに溢れていた。
 そういえば、どうしよっか、明日、プラグインのイブのパーティ。
 藤堂は東急不動産の仕事が終わると、あとは野となれとばかり、パーティの誘いの連絡を入れてきた。
「佐々木さんと浩輔ちゃんは、仕事が上がり次第だよね」
 藤堂さんは軽く言ってたけど。
 そう言えば去年のパーティで、佐々木ちゃんと沢村っち結構ドラマチックだったのにさ。
 あーあ、どうなっちゃうのかな~、あの二人。
 でも今年は佐々木ちゃん、疲労度マックスだし、パーティとか無理だよね。
 年がら年中絶えない雑踏を振り切りながら、直子はマークシティのエレベーターへと足を向けた。

 


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