好きだから 225

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「違いますよ」
 浩輔はちょっとふくれっ面になり、一呼吸おいて言った。
「佐々木さんだったんです」
「俺? 何が?」
「藤堂さんが調べてくれたんですけど、佐々木さんがベリスキーやってた頃、阿部って佐々木さんフリークで、俺に交代したのを根に持ってそういう行動に出たみたいです」
「何やね、それ」
 佐々木は笑った。
「笑いごとじゃないですよ、あの時、俺、やっぱ俺、デザインとかやるべきじゃなかったかみたいに思って」
「まあええやん、今は藤本さんに戻ったんやろ? そういうのんも浩輔の成長につながってるわけや」
 佐々木は浩輔の頭を掻き回す。
「またそういう、ガキ扱い~! 俺もういい年なんですから」
 佐々木だけでなく、多少童顔な浩輔はどうしても周りから愛玩的に見られてしまう。
「佐々木さん、今夜のパーティ、やっぱ無理っすよね」
「プラグインの? また河崎さんのとこで?」
「ええ」
「せやな、今夜はちょっと俺無理やな~。帰ってここんとこの睡眠不足を解消したいなあ。あ、でも直ちゃん、誘ったって? あ、ただし、大和屋の仕事、昨日で終わってることになってるよって、そこんとこはよろしゅうに」
「はあ、それはまあ。でも大丈夫ですか? 来週の月曜はショーのリハーサルあるし、お茶の方も一度ホテルの茶室、チェックしていただくことになってますし」
「まあ、今夜休めば平気や。浩輔もあんまり無理せんとな」
 浩輔をプラグインの前で降ろし、佐々木は運転手に半蔵門を告げた。

 


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