好きだから 231

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 リモコンで湯がためられるようになっており、もちろんエアコンも新しい。
「おおお、ストーブか。こりゃ、健斗も喜びそうだ」
 リビングには新しい薪ストーブがドーンと設置され、寒い日もこれなら暖かそうだ。
「春から東京にいたんなら、夏休みとか連れてきたったらよかったのに」
「お前に聞かれるまで思い出しもしなかったんだよ。うお、キッチンもきれいになってるぞ」
 稔はあちこち覗いてはいちいち感激の声を上げている。
 佐々木はソファに腰をおろして、しばらくぼんやりしていたが、思い出したようにトイレを使い出てくると、またソファに座り込んだ。
「上の和室、畳も新品になってる」
 二階もチェックして階段を下りてきた稔は上機嫌で、買ってきた酒や飲み物類を冷蔵庫にしまう。
「稔さん一家がここでゆっくりできるようにって、手塚先生も考えはったんと違う?」
「さあ。あのオフクロだからな。自分が楽しむってのが一番の理由だろ。あ、弁当、食うか? 腹減ったろ」
 稔はやかんを火にかけて、袋から弁当やお茶のパック、インスタントコーヒーを取り出した。
「うーーん、あんまり。食欲ない感じ。それよりサンタ、間に合うん? これから帰るつもりやろ?」
「一応、急患で一時間遅れるって言っておいた」
「ウソばっか。ま、そのくらい休んでからの方が運転も心配ないな」
「コーヒーでいいか?」
「普通のお茶がええ」
 稔は食器棚からマグカップを取り出して、お茶のパックを入れて湯を注ぐ。
「いつまででもいていいし、掃除とかもやらなくていいぞ。ハウスキーパーに頼むから」

 


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