好きだから 244

back  next  top  Novels


「あ、あたしも。明日は仕事だし」
 良太が言うのに、直子も追随した。
「そっか。お疲れ様」
 浩輔に暇を告げて、二人は一緒に玄関に向かう。
「少しは楽しんでもらえたかな。はい、メリークリスマス」
 出がけに藤堂が二人にプレゼントの入った袋を渡した。
「ありがとう! 藤堂ちゃん、メリークリスマス!」
 エレベーターの中で、二人はほぼ同時に溜息をついた。
「なーんか、去年は佐々木ちゃんも沢村っちもいたのにさ」
「だねぇ。佐々木さんに何か聞いてる?」
 良太が聞いたのは沢村とのことだ。
「ううん、なーんにも。沢村っち、今日は何してるの?」
「いや、連絡してない。クリスマスの予定とかなんか聞きづらいし」
 えらく落ち込んでいたから、明日あたり連絡を入れてみるか、と良太は思う。
 また、部屋で飲んだくれてんじゃないだろうな。
 強い北風が舞う夜だが、星が見える程空は高かった。
 二人は一緒にタクシーに乗り込むと、乃木坂で降りた良太は永福町くらいまでの料金を運転手に渡し、直子にお休みを言った。

 


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ