好きだから 250

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 少しうとうとしたが、寒くなった気がして沢村はリビングのストーブに薪を入れた。
 次第に外も明るみはじめ、キッチンの窓から細かい雪が静かに降っているのが見える。
 七時半を過ぎようとしていた。
 佐々木は少し咳が出て、沢村が部屋に戻ってきた気配で目を覚ました。
「何か食べれそう?」
 沢村も佐々木が目を覚ましたのに気づいた。
「今はええ」
「水、持ってくる」
 沢村から経口補水液の入ったグラスを受け取って佐々木は飲み干した。
「熱、……三十八度二分って、まだ熱高いよな」
 沢村は赤外線体温計の数字を覗き込んだ。
「とりあえず病院に電話して往診きてもらう」
 佐々木は立ち上がろうとした沢村の腕を掴んだ。
「風邪やから、寝てれば治るし、往診とかいらん」
「いや、インフルも心配だからきてもらえばいい」
 佐々木はまだ頭もぼんやりしていたし、少し咳き込んだ。
「ほら、いいから、寝てろよ」
 佐々木を寝かしつけると、沢村はグラスをキッチンに持っていき、携帯で内村医院を呼び出した。
「ありがとうございます、朝早くに」
 内村医師は早速八時頃一人でやってきて、沢村を見ると、おっという顔をしたが、何も言わずに案内された寝室に入った。
「ああ、インフルは大丈夫だな。仕事のし過ぎでダウンしたんだって? 熱はあるが、喉がちょっと腫れてるからな。とにかく寝て、栄養を取って、ゆっくり休むことだ」

 


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