好きだから 32

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 昼過ぎに連絡があった時、七時に迎えに来るはずが、藤堂主催のハロウィンパーティに行かないかという沢村にそんなものはパス、と断って電話を切ってしまってから、柄にもなく後悔していた。
 お互い忙しくてもう三週間ほども会っていなかったのだ。
 この際ハロウィンパーティであろうと何であろうと、会えるのであれば行くと言えばよかった。
 そんな沢村の想いを見透かしたように、直子がどうしてもハロウィンパーティに行きたいと言い出した。
 幸か不幸か直子に言われるとよほどでない限り否とは言えなかった。
 互いしか見えなくなっていた二人をよそに、パーティはお開きとなり、本物のホテルマンとケータリングサービスを頼んでいたレストランのギャルソン数人がやってきて、てきぱきと片付け、藤堂が続きはラウンジで盛り上がろうとか何とか言うと、浩輔が一人一人に可愛いかぼちゃバルーン付きの有名ショコラティエで特注した小さなチョコレート菓子の包みを渡して送り出した。
 さすがに人の気配がなくなると佐々木は、「もう帰らなあかんで」とあたりを見回した。
「いいんだ」
「え?」
「ここ藤堂さんと折半したから、来いよ」
 沢村は佐々木の手を引いてさっきまでパーティ会場になっていたリビングを通り抜けた向こうにあるベッドルームへと誘った。
「こっちは使ってないし」
 酒が程よく回って少しばかり余計なことを考えるのをやめていた佐々木は沢村の手を放したくはなかった。
 沢村が支払うというのを藤堂はパーティを速攻決めた際、仕切りたいから折半でと申し出た。

 


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