好きだから 41

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 大阪出身の八木沼は高校時代は今一つだったものの関西の大学リーグで大柄で豪快なスイングから第二の沢村として注目され、レッドスターズにドラフト一位で入団したその年即頭角を現し、三年目の今年は三割を打つ飛躍的な活躍もさることながら、ハーフでイケメンの上、大阪弁のひょうきんさも手伝って一気に人気を集めた。
 野暮ったいといわれがちな野球選手の中にあっては、スタイリッシュなファッションセンスといい、女子人気は身長もほぼ同じな沢村を凌駕するほどだ。
 その二人が交流戦で出会って何となく馬が合い、十二月から共同で自主トレを行うというので、今回の対談となったのだ。
 これは良太が企画したプランだが、華のある人気選手同士ということで珍しく早々にGOサインが出た。
 インタビュアーも女子アナでなく同年代の若手アナだったせいか八木沼が特に浮かれ気味にもならず自然な調子で話を引き出せてよかったようだ。
 八木沼とは対称的に、美術館という場所にも沢村のエリートビジネスマン風な雰囲気がしっくりと合い、翌日のデータによると、二人の対談は深夜のスポーツ情報番組では珍しく若手女性層で高視聴率を得た。
「せや、何や俺にもCMの話があるらしいねんけど、沢村ン時は良太の事務所でCM作ったんやろ? な、俺もやるんなら良太の事務所がええな」
 この沢村と八木沼の二人を御殿山の料亭に招いての接待は良太と沢村の都合もあって翌日の夜となった。
 沢村のことを考えて、良太は沢村の行きつけというマスコミが近寄りがたい隠れ家的な料亭にしたのだが、八木沼は最初からすげぇこんなとこ初めて来たで、と燥いでいる。
「俺の事務所っていっても、沢村はうちでそっち系のマネジメントを請け負っているというだけで、八木沼さん、マネジメントの事務所は上坂プロでしょう?」
「せえけど、良太の事務所関係の代理店のプラグインとかに作ってもろたて、沢村ゆうとったし」
「いや、CMとかってのはそもそもクライアントが代理店に依頼するもので、沢村の場合はちょっと」


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