好きだから 47

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 ACT 6

 かなり夢中になって仕事をしていたらしい。
 さっき直子が買ってきてくれた弁当を食べたと思っていたのに、いつの間にか窓の外は夕暮れに差し掛かっていた。
 冷たそうな風が木立の葉を落としながら吹き抜けていく。
 十一月も中旬に差し掛かり、佐々木はただでさえ忙しかったところへ、撮り直しCMが二つ重なり、電映社の方は製作費もギリギリらしく、別のタレントを起用してもプランは多少の修正だけで進行ということになったものの、青山プロダクション経由のドラマ絡みのCMの方は、多少の余裕もあるということでクライアントが一から創り直しを要請してきたため、佐々木の仕事量はどんと増えたのだ。
 お陰で徹夜、半徹夜がここのところザラで、今朝も気づいたらオフィスのパソコンの前で朝になっていた。
  沢村からは毎日のように電話が入るが、知らず知らず昨日は、仕事がなかなか終わらないと口にしたところ、じゃ、しばらくは電話も遠慮する、と言った。
 あんまり根を詰めない方がいい、沢村は佐々木を気遣って電話を切った。
 沢村からの電話が邪魔というわけではないのだ。
 むしろ、声を聞いているだけでほっとする。
 ただ、あまり頭が働かないから、ほんとに声を聞いているだけで、ロクな受け答えができない。
 沢村もそれを感じ取ったのだろう。
 電話が切れてから、無性に寂寞とした想いに駆られて、佐々木は思わずコールしなおそうとして、やめた。


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