好きだから 7

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 子供の頃から地域の少年野球チーム同士、取っ組み合いの喧嘩をしたこともあるライバルだった。
 高校では片や甲子園の常連チームと片や三流の進学校、大学でもたまに練習試合で対戦したが、絶対信念を曲げない良太は打たれても打たれてもむきになって直球で向かってきた。
 嘘ばかりの家族の中で育ち、嫌気がさして高校を卒業後に家を出た沢村にとって、良太は曇りのないピーカンの青空のような存在だった。
 プロに入ってからは互いに道が分かれたかと思われたが、スポーツ番組のプロデューサーと野球選手という形で再会し、以来、本音で言い合える数少ない相手だ。
「まあ、お前がどうこう言われてるのはどうでもいいさ。問題は佐々木さんだろ? そのこと佐々木さんにばれたら、お前今度こそ最後通牒かもしれないぞ」
 良太にそう脅されても沢村はぐうの音も出なかった。
 沢村が小田と奥のテーブルで話をしているうちに、青山プロダクション所属女優である中川アスカがマネージャーの秋山を伴ってオフィスに現れた。
 オフィスはワンフロアで観葉植物くらいは置いてあるが仕切りもないので、何やら難しそうな顔で話をしているのが小田と沢村だとはすぐに知れた。
 アスカは窓際のソファに陣取って、二人をチラ見し、これは何かあるわね、とふんで良太を呼んだ。
「どうしちゃったの? 沢村、小田先生なんかと」
「まあ、ちょっと相談事があるみたいで」
「工藤さんは?」
「今日明日大阪です」
「ふーん、鬼のいぬ間に? 何企んでるの?」


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