好きだから 85

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 小田はするとしばしじっと沢村を見つめた。
「もし犯罪が行われているという事実があればですが、先ほども申し上げたようにこの画像は証拠能力がありませんし、立件するとなればそう簡単なことではありません。一応画像は見せて忠告だけはしましょう。まああなたもそう先走らず、とりあえず、私はあなたと青山プロダクションの代理として、真岡弁護士にアポを取りましょう」
 小田が帰ると、沢村はふう、と大きくため息をついてしばらくソファに座ったまま腕組みをしていた。
「沢村、何がどうしたって?」
 ややあって良太が声をかけた。
「贈収賄だとさ、優良企業が聞いてあきれる」
 沢村は良太に、画像のことをぶっちゃけた。
「もう、関わらないんだろ? ほっとけよ」
「犯罪者を見て見ぬふりしろって?」
「深みにはまる前にやめろって忠告してやればいんじゃね?」
「俺にはそんな義理はない」
 良太は小田の座っていた沢村の向かいに座った。
「小田さんが忠告して沢村父と兄が素行を改めればそれでよし、もし、贈収賄が表沙汰になったりして、荒木検事とかに追及されたりしたら、三輪田議員も終わり、朝日産業もダメージ被ること必至だぞ」
「荒木検事って誰だよ?」
「東京地検の凄腕。小田さんとか工藤の同期で、ひょっとして齋藤元大臣の一件もそうかもな」
「へえ、工藤の同期?」
「工藤は出自が出自だから、芸能プロの社長とかやってるけど、昔、現役で司法試験三人そろって合格したって」
「ひょっとしてああ見えて小田弁護士って結構辣腕とか?」

 


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