「あほ、しつこい……!」
抗う力も次第に弱くなる。
頭の中で何だかだと考えていても、 沢村が触れるとスイッチが入ったように身体が勝手に反応してしまう。
沢村に操られるように身体の芯から熱くなり、幾度も声をあげている。
こんな自分を佐々木は沢村に会うまで知らなかった。
「何かこういうの、すげぇ滾っちゃって、夏だし、佐々木さん抱いてると嬉しすぎて、俺今夜限りなくエロくなってる」
沢村は佐々木の身体を触りまくる。
「あほっ! 何言うて………うだってしまうわ…」
「だよな」
言ったかと思うと沢村は佐々木ごと立ち上がり、くるりと佐々木の身体を後ろ向きにすると、もう何も言わずに佐々木の中に入り込む。
「……ああっ………」
「だって、佐々木さんも身体蕩けてるし……」
「うるさ……あっ…はあっ…」
中で暴れる沢村のお陰であっけなくいきついた佐々木の耳元で沢村が呻く。
「佐々木さんの声、脳髄直撃……も、よすぎて……ダメ」
引き抜かれるのを惜しむように強くしめつけられて、沢村はやっと外で爆発させた。
「このままだと二人ともゆだっちまうから、ベッド行こ」
朦朧とした状態でバスローブにくるまれ、佐々木は足元をもつれさせながら沢村に腕を取られてベッドまでたどり着く。
ベッドに倒れ込んでいた佐々木の頬に、冷たいグラスが触れる。
「かなり冷えてて飲みやすい」
ゆっくり身体を起こした佐々木は差し出されたグラスを取って、喉に流し込む。
乾いていた口の中が潤されて、ようやく佐々木はふうっと息をつき、濡れた唇を手の甲で拭う。
「佐々木さん、メチャ色っぺぇの」
隣に寝転がった沢村はそんな佐々木を見上げて笑う。
「アホか……」
「俺ってホント幸せ者だよな。こんな佐々木さん、独り占めできて」
そんなことを呟きながら、沢村は空になったグラスを佐々木から取り上げて枕もとのテーブルに置くと、またベッドに倒れ込んだ佐々木のバスローブの中に手を這わせる。
抗おうとした佐々木の手をもう一方の手で掴んで阻み、身体を起こして佐々木を見下ろした。
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