笑顔をください 103

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 そんなことを考える余裕があったのは最初だけだった。
 自分でも信じられないような甘ったるい喘ぎが口を吐く。
 高橋に触られた時は怖気が走るほど嫌だったのに、七海の指が少し触れるだけで志央の肌は反応し、発熱した。
「ごめん、ほんともう、とまんねーっ…」
 結局のところでかい男に合体されて尚、若い情の迸りは留まることを知らず、大きな波にさらわれるように志央は高みへと連れて行かれる。
「あっ…あっ……んんっ………な…七海……七海…、好き…だからな…」
 揺さぶられて志央は七海の背中にしがみつく。
 声までが濡れてしまう。
「…なな…みっ!」
「かわいー…志央さん…!」
 堕ちていく。
 お前の瞳の青に。
 七海の腕の中は温かくて。
 志央は自分の全てが溶けていくような気がした。
 


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