中にはもう関わりあいたくないという者もあったが、被害者の家族と話し合い、慰謝料を渡し、お互いに事実の公表を避けることを望んだ。
その他数名も同じく退学となった。
どういう形にせよ、その先の人生を選択するのは彼ら自身でしかないのだ。
志央はふと、くしゃくしゃにまるめられて床に落ちていた紙に気づいた。
「何だ、この点数。ひでー、カナダに住んでたんじゃなかったか? お前」
広げてみると答案用紙だった。
もちろん、七海のだ。
「わー、見ないでくださいよぉ」
手をのばす七海から志央は遠ざける。
「お前、こんな点数で、進級できると思っているのか?」
「もう、帰してくださいよ、俺、グラマー、チョー苦手なんですからぁ」
またひとつ、発見。
このタコ坊主といると、やっぱ面白いかも。
そんな風に、これからも何かを発見していこう。
七海と一緒に。
おわり