笑顔をください 33

back  next  top  Novels


 いつものように屋上に続く階段を上がり、ドアを開けた。
 途端、ギャッという人の叫び声。
「これ、持ってて!」
「え、おい」
 七海は弁当を志央に押しつけたと思うと、屋上に飛び出していく。
 慌てて七海の後に続いて屋上に出た志央の目には、走っていく七海の向こうにひとかたまりの男たちが見えた。
「何だぁ? てめーっ」
「…んのヤローっ!」
 応戦しようとした数人の男たちを、七海はあっという間に軽く殴り倒した。
「七海!」
 志央の声に、殴られた男たちがむっくり起き上がり、志央の横をあたふたと散っていく。
「おい、ちょっと待て! お前ら!」
 相手は生徒会長だ。
 待てといって待つわけがない。
 あいつら…!
 志央の横をすり抜けて逃げたのは、確かに以前掴まえたタチの悪い方の三人だ。
「おい、大丈夫か?」
 七海は足元にうつ伏せに倒れている男に声をかけた。男は顔を上げた。
「お前、近藤…?」


back  next  top  Novels

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
いつもありがとうございます

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です