いつものように屋上に続く階段を上がり、ドアを開けた。
途端、ギャッという人の叫び声。
「これ、持ってて!」
「え、おい」
七海は弁当を志央に押しつけたと思うと、屋上に飛び出していく。
慌てて七海の後に続いて屋上に出た志央の目には、走っていく七海の向こうにひとかたまりの男たちが見えた。
「何だぁ? てめーっ」
「…んのヤローっ!」
応戦しようとした数人の男たちを、七海はあっという間に軽く殴り倒した。
「七海!」
志央の声に、殴られた男たちがむっくり起き上がり、志央の横をあたふたと散っていく。
「おい、ちょっと待て! お前ら!」
相手は生徒会長だ。
待てといって待つわけがない。
あいつら…!
志央の横をすり抜けて逃げたのは、確かに以前掴まえたタチの悪い方の三人だ。
「おい、大丈夫か?」
七海は足元にうつ伏せに倒れている男に声をかけた。男は顔を上げた。
「お前、近藤…?」
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