返ってきたのは、思いも寄らない叫び声だ。
しかも生徒会室の中からからである。
「堺!! おい、どうしたんだ!」
「…七海…!」
ちょうどそこへ志央と幸也が戻ってきたが、七海に気づいて志央の足が竦む。
「早く! 開けてください! 堺が!」
七海のただならぬようすに幸也が慌てて持っていた鍵でドアを開ける。
即座に飛び込んだ七海は、暗がりで窓から逃げようとした最後の男を引き摺り下ろし、吹っ飛ばすかというほどの勢いで殴り倒した。
「堺!」
倒れている男を残し、ほかの男たちは開け放たれた窓の向こうへ飛び降りると、薄暗闇の中をわらわらと逃げて行く。
慌てて七海が抱き起こすと、勝浩は顔を殴られたらしく唇の辺りに血がついている。
無残に引き裂かれたシャツ一枚の勝浩に、七海は自分のガクランを脱いで羽織らせた。
「大丈夫か?」
勝浩はそれでも気丈にコクリと頷いた。
「体育倉庫で喧嘩沙汰だとかって、妙な呼び出しだとは思ってたんだが…生徒会室でとはやってくれるじゃねーか、チクショー」
ようやく少し落ち着いた勝浩を横目に見て、幸也がそう口にする。
「まさか堺を襲ってくるとは…」
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