いつか逢えたら 7

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 生徒会室に入ると、案の定、志央と七海がいちゃいちゃと弁当を広げていた。
 タコ坊主こと七海と志央は、紆余曲折あったものの、真冬の寒さをヒートアイランドにしてしまおうかという相思相愛の恋人同士なのだ。
 生徒会周辺では見て見ぬふり、黙認状態である。
 いや、当の七海を除いた現執行部員にとっては、はっきりいってはた迷惑この上ない。
 自分の作った弁当を食べさせたいがために、七海は生徒会を引退したはずの志央と示し合わせ、昼になると一緒に生徒会室にやってくるのである。
 すると、志央と七海に茶々を入れるという目的のために、幸也もやってくる。
 もっとも彼は昼を済ませてくるようだが。
 一番迷惑を被っているのは、昼を食べながら仕事をしようとこの生徒会室にきている勝浩だろう。
 幸也は志央と七海の間に割り込み、七海とくだらないことで言い争いをするのを日課にしているだけでなく、勝浩の弁当を覗き込み、「お、今日は肉じゃが? 美味そうだな」などと、弁当評をしてくださる。
 勝浩が睨みつけても、幸也はどこ吹く風で、志央はコーヒーなど勝手にいれて和んでいる。
 開かれた生徒会、を目指す勝浩としては、無下に追い出すわけにもいかず、だまって仕事をするわけである。
 とっくに三年生は自由登校になっているし、常に全国模試の上位に名を連ねていた上、既に共通テストでもかなりな高得点だったらしいことは生徒会室で二人がてらいもなく話しているから、聞きたくなくても聞こえてしまう。
そんな志央や幸也は補講を受ける必要もないはずなのに、二人は毎日のように生徒会室を訪れる。
「…っった…」
 立ち上がった志央が、また椅子に座りなおす。
「大丈夫っすか? 志央さん!」
「大丈夫じゃないぜ。お前が夕べやりまくるからだろ? まだ体中がたがただ」
「え~、俺のせいにするんっすか? だって、もっと、もっとって言ったの志央さ……ってぇっ…! 何すんですかぁ」


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