Tea Time 19

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『タケに?』
「ええ、幸也さんにもらった車ばっか乗り回してるから、たまには動かしてやってくれって、ミニ貸してもらって」
『ああ、あの水色のやつね。俺に一言言ってくれればよかったのに。アウディでもポルシェでも喜んで貸したぜ』
「ポルシェなんて、俺には荷が勝ちすぎですよ。実は、ユウだけじゃなく、犬や猫運ぶのにそろそろ自分の車が欲しくて、中古かなんか探すつもりでいたら、タケさんが、ほとんど使わないから譲ってくれるって言うし………」
『だから何で、俺に言わないんだよ。ミニなんか、ユウだけでいっぱいになっちまうぞ。わかった、アウディだったらいいだろ? お前、運転したことあるし。わざわざ買うことなんかない』
 なんとなく幸也の声に険が混じっている。
「あ、ちょ、待ってくださいよ、だってタケさんが……」
『タケのことなんか、気にすんなって。あの大家んち、駐車場はあるのか?』
「でも、あれ4WDのセダンでしょ、俺、いくらバイト増やしてもとてもあんなの買う余裕はないです」
『お前から金なんか取るかよ、駐車場も……』
「そういうわけにはいきません。簡単にアウディなんか後輩にぽんとくれようなんて言わないでください。キャットフードとはわけが違います。ほんとに金銭感覚ないんだから」
『いや、俺はだな………』
「だいたいもし仮に長谷川さんから車譲ってもらうにしても、最初に申し出てくれたタケさんに話を通すのがスジってもんです」
 きっぱりと言い切った勝浩に、電話の向こうからしばし沈黙が返される。
『……タケさん、タケさんって、お前タケがそんなに気になるのかよ?』
 躊躇いがちに幸也が放った言葉は勝浩の心をざらりと撫でる。
『実はタケのことが好きなわけ?』
「……! …そんなこと、言ってないでしょう!」
 幸也の皮肉めいた問いかけに息が詰まりそうになる。

 


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