Tea Time 25

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 城島家の中にのっそり入ってきた図体の大きい、しかし気の良さそうな志央の後輩がそれにちょっと手を貸したともいえよう。
 でかい図体の割に気のよさそうな男、藤原七海という。
 七海は志央を乗せてバイクでやってきて、「うまいっす、これ、メチャうまいっす!」と奈央の手作りの料理をあっという間にバクバク平らげるかと思えば、あげくには奈央の料理教室にもちょっと通ったりして、一躍教室の生徒の間でも人気者となった。
 七海が潤滑油のようになって志央と奈央の間にあったわだかまりを少しずつ消していった。
 これからやってくる「あいつら」とはその志央と七海である。
 奈央がお菓子の本を出そうかしら、と言い出したときたまたま傍にいた武人が、じゃ、今度ぜひうちの会社でと提案し、武人がバイトしている光榮社に企画を持ち込んだ。
 光榮社といえば現在父親が社長を務める新洋社から枝分かれした大手数社につぐ出版社である。
 時々武人が仕事をもらう女性誌の編集部から単行本として出すことになったものの、大半をモデルを使ってゆったりとしたティータイムを演出したいという奈央の提案は、料理本という性質上、モデルにかかる費用とか撮影費を考えると無理だと編集部からダメ出しされ、奈央はじゃあやめると言いかねなかった。
 焦った武人が考えた苦肉の策が、奈央と志央を使うという案である。
 ついでに奈央の料理教室に通っているという七海も登場させ、庭で優雅にお茶をする奈央と志央親子、そこへエプロンをつけた七海がケーキを運んでくる、という設定だ。
 昨今男の料理が注目をされていることも踏まえて、ようやく編集長のGOサインが出た。
「ほんとに、モデルとかじゃないの? 彼?」
「イケメンってよりすんごい美形!」
「あの親にしてこの子ありって感じね~」

 


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