Tea Time 28

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『どういうことです?』
 七海の声がさらに気色ばんでくると、武人はちょっと思案した。
「いや、どういうわけか面白い具合にいろいろ絡んでいるんだよな~。な、撮影前に明日か明後日、時間取れる?」
『明後日八時頃なら大丈夫っすよ』
「よっしゃ、わかった。まあ、ここはじっくり策を弄するとしましょ」
 というわけで、昨日のうちに武人は七海と会ってとある策略を練っていた。
 いるとややこしいことになりそうな志央は抜きで。
「とにかく、じれったいんだよな~、俺は」
「あら、何が?」
 独りごちた武人に、向かいでチーズケーキを切り分けていた奈央が顔を上げる。
「いや、こっちの話、うう、うまそ~! 俺、そっちのおっきいやつね」
 奈央の作るケーキやクッキーは、作り方がわかりやすく、しかもちゃんとおいしく作れると料理のみならずファンが急増中なのだ。
「大きくなっても食いしん坊なのはちっとも変わってないんだから」
「大きくって、奈央さん、俺、もう二十一ですよぉ、見てよこの無精ひげ」
 さすがに恥ずかしげに武人は顎のあたりを手でさする。
「あ、そだ、撮影のあとのお茶会、大丈夫?」
「もちろん、懐かしいお客様だもの。滞りなく準備万端整ってるわ」
 ちょっとレトロな雰囲気のシックな海老茶のワンピースにエプロン、ふんわり大きくカールした髪を垂らした奈央は、明るく笑う。
「よおし!」
 拳を固めてうなずく武人に、「また何かいたずらを考えてるんじゃないでしょうね?」とすかさず奈央が突っ込みを入れる。

 


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