Tea Time 29

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「とんでもない、いたずらどころか、ボランティア精神あふれきってるんです、ほんと」
「やだ、やっぱり怪しいわ」
「全然、怪しくないって。ガキの頃から、いたずらを決行する志央と幸也を止めるのが俺の役目ですから」
「そうね~あの二人、特に志央には手を焼いたわ、あのクソガキども!」
「奈央さん~~、品のある奈央先生の口から、クソガキって……」
「皿やカップ割るのなんて日常茶飯事。それもお気に入りのウエッジウッドやマイセンなんかやられてみなさい。ワンコと一緒になって雨上がりに外から裸足で入ってきて走り回って床はおろかソファやベッドは泥だらけ。洗濯物はめちゃくちゃ、もう思い出すだけでうんざり」
 奈央は首を横に振りながら当時を思い起こしているようだ。
「奈央さん、もうそろそろ志央とちゃんと向き合えるでしょ」
 ふいに優しい言葉で武人は奈央を見つめた。
「そうね」
 奈央は微笑む。
「似過ぎていたのよ、志央と美央。今でも志央を見ると美央が帰ってきたのかと思うことがあるわ。でもいつまでも志央を避けていたら、美央が悲しむだけだって、ようやっとこの頃思えるようになったの」
「そう、よかったね」
 穏やかな奈央の笑みを見て、武人も笑う。
 やがてモデルを務めることになっている志央と七海がやってきた。
「お邪魔します。奈央さん、車、裏に置いといて平気です? まだスタッフさん、いらっしゃるんですよね」
「いらっしゃい、ナナちゃん」

 


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