Tea Time 33

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「はい」
 いそいそと玄関に向かう奈央の背中に、「誰が来たのさ?」と志央が声をかける。
「本当にお久しぶり。みんな驚くわよ」
「突然押しかけて、すみません。まあ、すてきなお庭ですわね」
 女性の声がリビングに聞こえたかと思うと、キュートなボブの柔らかい髪と明るい笑顔の美人を伴って奈央が現れた。
「志央、どなたかわかる?」
「え、ひょっとして、裕子センセ? びっくり、全然あんときのまんまだ~」
 志央は思わず立ち上がる。
「あら~、お久しぶりね~、あなたもあのいたずらっ子のまんま大きくなったわね~志央ちゃん。覚えていてくださって光栄だわ」
「やだな~俺、もう全然大人ですよ~いたずらっ子はないでしょお、センセ」
「あら、だってあの時のカエル事件、未だにうちの教室では伝説なのよ、ね、勝っちゃん」
 そういわれて裕子の影に隠れるように後ろに立っていた勝浩がそれを肯定するでもなく「お邪魔します」とおざなりな挨拶をした。
 何しろ、まさかこういうこととは思ってもいなかった。
 父親の出張中、ショッピングにつき合った母から懐かしい方からお誘いいただいたから、送って欲しいといわれて、武人から借りているミニで言われたとおりやってきたのが、ここだったのだ。
「勝浩じゃん、何でセンセと一緒なんだよ?」
「何ゆってるの、志央、裕子先生、勝浩さんのお母様じゃない」
「え~~~、ウッソー!」
「あなたは大人っぽくなったわね~、ユキちゃんでしょ? 志央ちゃんと一緒によくうちにいらしてた」

 


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