Tea Time 34

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 にこにこと問いかけられて、しばしこの状況に固まっていた幸也はようやく口を開いた。
「ご無沙汰しております。先生はおきれいなままお変わりなくて。でも勝浩くんのお母様とは全然気づきませんでした」
「正確には堺と結婚したのは志央ちゃんがやめてからなのよ。それから割とすぐ、堺の転勤が決まって、こちらに戻ったのは勝っちゃんの中学入学前だったわね」
 なるほど、と幸也は合点がいった。
 子どもの頃勝浩をいじめていたらしいという記憶がおぼろげなのは、そのあと高校で出くわすまで交流はなかったからだろう。
「まあまあ、挨拶はそのくらいにして、どうぞどうぞお二人ともこちらへ」
 二人を席に誘おうとする武人に、「いえ、あの、俺は母を送ってきただけですから」と勝浩は遠慮しようとした。
「なーにゆってるの。陵雲学園高校生徒会OB会でしょうが、ささ、こちらへどうぞ」
 勝浩に軽く睨まれながらも、武人は強引に幸也の横の席に勝浩を座らせる。
「お目にかかるのははじめてね、勝浩さん。きっと志央たちがご迷惑かけたんでしょ?」
 志央そっくりの奈央ににっこり微笑みかけられて、勝浩は、「ええ、まあ、ほどほどには」と正直に答える。
「おい、そこは肯定じゃなくて、軽く否定するとこだろ」
「体裁が苦手な性分なので」
 早速抗議する志央を勝浩は軽くいなす。
「相変わらずかわいくねーぞ! なあ、幸也。そういやお前ら二人も久しぶりだろ? 卒業以来だから」
 並んで座る二人を見ながら、志央が言った。
「あ……いや……」
 幸也は答えに躊躇する。

 


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